イベントレポート 「海外で実現しよう! 〜発達障害グレーゾーンの子ども支援」(動画あり)

テキスト:岩井真理

 2020年4月8日(水) 日本時間23時より、表記のテーマで3人の心理カウンセラーによる、トークイベントが行われました。

 まずは、3人の心理カウンセラーの自己紹介を兼ねて、発達障害グレーゾーンの子どもの支援に関わるようになった経緯ときっかけを話すところから イベントは開始されました。

 

 トップバッターは、フランス・カンヌ在住 の山田ちあきさんです。ちあきさんは、日本の大学で心理学を学び、フランスの大学院で修士課程を修了した臨床心理士です。日本のクリニックで初めてグレーゾーンの子どもに出会った時、何故?どうして?の連続でしたが、その後そんな子供達から学ぶことが多かったと言います。興味あることにフォーカスして、試行錯誤の末、子供達が変わっていくという経験を、沢山見てらっしゃいました。その後、フランスでも仕事に就き、国や文化、特性によって異なる診断基準の違いについてもコメント下さいました。

 

 次に、ヘルプデスクの相談員でもある、吉田エイミー が話しました。エイミーさんは、発達科学コミュニケーションのトレーナー でもあります。夫の駐在に帯同し、2度の香港、マレーシアを経て現在ベトナム在住です。日本の短大卒業後、アメリカの大学で心理カウンセリングを学び、日米で心理カウンセラー、スクールカウンセラーとして活動してきました。20年ほど前にアメリカのインターン先でADHDの男の子に初めて出会い、その後日本の大学学生相談室でもグレーゾーンの学生と接した経験から、診断の云々ではなく、自ら子育てする立場でもあることから、お母さん達や駐在した現地の日本人学校のサポートをしてきた経験を持ちます。

 

 そして、最後にアメリカ在住、当ヘルプデスク代表の秋田まきが、ASD HSP(HSC)当事者として、体験を語りました。6、7年前に周囲の心理カウンセラー仲間から指摘され、自分がASDであることに気づいたそうです。そして、そう考えればこれまでの自分の行動につじつまが合うな、と思ったと同時に、「何故、これまで自分を理解してなかったのか?」と3日間泣いたと言います。しかし、今は自分を分かるツールとして、自分を説明する一つとしてASDを受け入れることができて良かったと、体験を通して発達障害を説明してくれました。

 

 次に、エイミーさんが「発達障害について」参加者に向けてスライドを使って説明してくれました。

発達障害ってどんな障害?

「脳機能の一部が、通常とは異なる働きをしてしまうことで引き起こされる」

親の育て方や生育環境が原因ではない。脳はオトナになってもずっと成長する、という説明を聞きました。

 

 また、発達障害には次の3つ

・自閉スペクトラム症(ASD) 社会性のつまずき

・注意欠陥多動性障害(ADHD)行動面のつまづき

・学習障害(LD)学習面のつまづき

があり、それぞれのつまづきについても分かりやすく説明してくれました。

 

 ADHD と併存しやすい発達障害として、アスペルガー症候群、自閉症、学習障害などがある事にも触れ、症状はミックスされていることを知りました。日本では発達障害が疑われてる子は、67万人いると言われてる様です。診断が下るほどではなく、特性にぴったりと当てはまらない子達を「発達のグレーゾーン(パステル)」

と呼ぶそうで、約10%はこのゾーンだそうです。

 

 そして、このゾーン子は誤解されやすく、周囲より努力が足りない、怠けている、やる気がないなど怒られやすい子ども達です。その結果、自分はダメな子なんだ、と自信をなくし、自尊心を傷つけられやすい、という二次障害が問題であることも取り上げられました。傷つく事によって攻撃的になることも多いようです。

 

 以前に比べたら発達障害に対する社会の認識も広まりつつあり、古典的見方だけでなく「一人一人が違う」と捉えられ、日進月歩、更新している現状についても説明がありました。

つまり、「教科書には収まらない様々なケース、それぞれ違う一人一人をサポートする事が大切である!」と、締めくくりスライドは終了しました。

 

 

 その後、3人のクロストークが続きました。出来るだけ早い時期にサポートする事が大切であること、特性を見極めて自信をつけてあげること、出来ていることに注目して肯定する

「あなたはあなたでOK!」

のメッセージなど、たくさんのポイントが話されました。実は、これらは障害のある子供だけでなく、全ての子育てにも通じる事であると言う理解も深めました。

 

 「特性を受け入れてQuality of Life を高めるような支援」

は、家庭でできるサポートです。お母さんがダメと思っている事が、かならずしも本人がダメとは思っていない、本人にとっては尖っている事、宝物であることもありうるとのこと。子供は誉められた事を覚えていて自信になるので、最初に「いいねぇー」という声かけをしよう!と、3人が異口同音に、熱く語りました。

 

 さらに、社会に受け止めてもらうためには、本人や親が社会に理解を求める、ニーズを伝えることの大切さについても語られました。実は1番身近にいるお母さん達は、たくさんの知識を蓄積しているので、専門家以上に現場のエキスパート。個々に違う特性を持つ子供達だからこそ、生の声はいかに貴重かと言うことも話されました。

 

 最後に、3人から「グレーゾーンを育てるお母さん、または当事者へ」と言うことでフリップに書いたメッセージが送られました。

  1. 自分のトリセツを知る! by まき

  2. 当たり前の事を肯定しよう! by ちあき

  3. 未来を心配するよりこの瞬間を大切に!”present “をプレゼントします。 byエイミー

と言う、ハートフルなメッセージをそれぞれから頂きました。

 

 最後に、事前に参加者から頂いていたご質問に答えました。

Q.親のメンタルについて

・辛い時は、家族などの親しい人以外の第三者に話すのも良い。・完璧主義にならず、「まっ、いっかー」と思うことが大事。・自分の見方を変え、緩やかに。

Q.グレーゾーンの子どもにバイリンガル教育はありか?

・ひと昔前は、一つの言葉と言われて来たが、一概にダメではない。・その子によって、どの程度を求めるかにもよる。深く一つの言語を学び研究者や学者になりたいのか、たくさんの言語を楽しく会話して色々な人とコミュニケーションとりたいのか。・その子を見て、興味があり得意なら複数の言語をやったらいい。

 

 その後、3つのグループに分かれて個別ミーティングが行われましたが、どのグループも話が尽きない様子で、予定時間をちょっぴりオーバーしましたが、誰の顔にも穏やかな笑顔が有りました。それは、このイベントで、同じ思いで繋がれる場所や人がいる事を確認できたからではないでしょうか。

 

 私自身は、直接的にグレーゾーンの子ども達に接したことはありませんが、かつて管理職として、すでに社会人になった若者達の指導にあたった時に「あれ?なんで?」と言う経験をした事が少なく有りません。トークイベントの中でも、「5人に1人、日本人の中でB型の血液型の割合と同じレベルで普通に生活してます。」と言う話を聞いて、なるほど!と思いました。

 

 かつて、日本では特に「障害」と言う言葉に強く反応し、当事者も家族も周囲もその事を避ける傾向に有りました。しかし、今や、発達障害が有る無しにかかわらず、特性が一人一人の個性とし捉えられ、かつ共存して生きていくべき時代が来たのだと強く感じます。そのためには、偏見ではない正しい知識をを持つ事が必要だと痛感しました。情報は日々更新し、今現在がどうなのか、に関心を持とう!また、当事者や親御さんは、ひとりで不安になるより、ネットワークなどに関わり繋がる事、属する事で、互いをサポート出来る事をこのイベントを通し知る事が出来ました。特に、ネットワークから切り離された海外では、孤立が増すこともあるので、繋がりを持つことは更に大きな意味が有ります。

 

 最後に、ちあきさんとエイミーさんが所属する「パステル総研」では、グレーゾーンに関する様々な情報を発信していることをお伝えして、このレポートを締めくくります。

 


 

​イベントのご感想

​イベントのご感想

長年の悩んでいた事がスッキリしました。

ありがとうございます!

 

・自分の取説を知る(明るく爽やかに!)

・そして相手の取説も知る(寄り添うという事を学ぶ)

・1人1人の凸凹が合わさって大きな○になる、という言葉感動しました!

 

 

6月の回も楽しみにしています。

このような活動をして下さる皆様に本当に感謝申し上げます。ありがとうございます!

初めてのZoomでのイベント参加で、初めて会う方とつなぐことに少し緊張していましたが、

イベント終了後は「参加してよかった!また参加したい!」と思いました。

 

今回のイベント参加で以下の3点が一番の収穫でした。

①同じような境遇で頑張っている人との出会い

②子供との接し方に自信が持てた

③初心を思い出した

 

①について

ハーフでASDの診断書が出ている子供を育てていますが、

このパターンでの情報やお母さんが、自力では見つけられませんでした。

1人、ブログを書いている方を見つけましたが、突然連絡して情報共有したいというのも

あまりにも温度差があって失礼に当たるんじゃないかと思い踏みとどまりました。

 

しかし今回のようなイベントでは同じ気持ちで似たような境遇のお母さんに出会えたのがとても嬉しかったです。

 

②について

子供との接し方についてはインターネットや本でできる限り調べました。

自己流で自分の子供と接してきましたが、たまには「これでいいのか?」と疑問に残ることもありましたが、

今回のイベントで、いいところを褒める・伸ばすというような趣旨のお話を聞いて、

自分のやり方に自信が持てるようになりました。

 

③について

②と同時に、子供が同じ失敗を繰り返してしまったとき時に、

ついイライラしてしまい、「これ前も言ったよね?」というような子供を追い詰めてしまう質問をすることがありました。

こういった親の態度はどんどん厳しくするのは簡単ですが、自力でもとに戻すのはそれなりのきっかけが必要です。

それが今回ちょうどこのイベントで初心にかえることができ、イベント翌日には子供に余裕を持った態度や言葉をまたかけられるようになりました。

 

イベントの後半では各グループに別れましたが、別のグループの人とも話してみたいと思いましたので、また次回の機会がございましたらぜひとも参加させていただきたいと思います。

 

登壇者の方にはこのようなイベントを開催してくださいまして感謝しております。

 

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

特に参考になったのは、、、

・まずは2次障害で苦しまないように、子供の自信や自尊心を育てる「あなたはあなたのままでいい」

・目指すべきは、子供が大きくなってきたら子供の言葉で説明させること

・その前段階で、まずは親が周囲に説明していく

・周囲への説明や依頼の際には、「怒らない!」「謙遜しすぎない!」 明るく軽やかに説明する!

 

また、後半のお茶会では、自分の子供よりも大きな思春期の発達障害児を育てている方が、

学校でどのように周囲を巻き込んで行ったのかの具体例も聞くことができました。

 

改めて自分を振り返ると、息子の診断をもらってからここまでは、まずは自分の中でショックを乗り越えるフェーズがあり、だんだんと周囲の支援が整い、関係性も築いてきて、周囲に感謝できるようになりました。

ただ、ある意味、受け身の部分が多かったとも思います。

次の自分のフェーズとしては、親である私が、最新情報を更新しながら、軽やかにイニシアティブを取って息子の支援環境を整えていけばいいのかな〜、と今後のイメージが少しわいてきました。

 

イベントに参加できてよかったです!

先日は、貴重なお話しを聞かせていただきありがとうございました。

私は自分がHPSPの傾向だな…とADHDも少しかじってるのかな?と思って、それが分かった時に、今まで生きづらさを感じていたのは、この為だったのか!!

と気づいた時は少し安心した事を覚えています。

ですが、まだまだ「ねばならない」とか「完璧でない私はダメ」という考えが変えられない時があり、苦しくなります。

自分なりに勉強を続けているのですが、少しずつ気持ちの切り替えをして、受け入れていけるよう成長していきたいと思いました。

 

また機会がありましたら、よろしくお願い致します。

当イベントの感想を参加者さんがブログに書いてくださいました!

★元介護士、バンコク駐在妻が描く明るい介護〜ふんわり温かいケアの時間

「発達障害の子どもに良いことはすべての子どもに良いこと!」

ご参加大変ありがとうございました。​​

 

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